繁殖引退犬ルビーと過ごした1年

 2025年暮れ。今年はいろいろなことがあった。
明るいニュースは
* 綾子 勤続20年を慰労する旅行券を授与され、久々の家族旅行を計画
* 6月、初孫雫 誕生(2021年12月 朋之早恵子結婚)
* 11月、初孫に会うため、高千穂峡~阿蘇を巡り福岡へ旅行
悲しいニュースは
* 5月、優子のところのリッツが死に
* 9月、ハルウララが死に
* 10月、光男が孤独死
* 12月、ルビーが急死した


 外から帰って、玄関金具をカチッと鳴らすだけで、室内にいるルビーが「ワワワワワン」というけたたましい 鳴き声で迎えてくれる。
その声がもう聴こえない。寂しい。

front

 ちょうど1年前、2024/12/06 優子が繁殖引退犬ルビーを連れてきた。
体重4.5kg、大き目のチワワ 7歳 雌だ。
7年半、おそらくケージのなかでずっと暮らしてきたのだろう。晴れた日に裏庭に連れ出しても、2mの範囲を うろうろするだけ。餌を見せて呼べば来るが、すぐ元の場所に戻ってしまう。せっかく買った赤い 首輪も一度巻いただけで、外の散歩には一度も出ないまま外してしまった。


toilet room

カーペットの上に排泄されるといやなので、120x150の枠内がルビーの生活範囲。 ちゃんと決まった場所で排泄出来るようになれば、枠から出すつもりだったのだが・・・。
 上手く枠内に排泄出来たら、ほめてビスケットをあげる。犬の色彩識別をしらべて、黄色い枠をつくる。
ときに枠から外れることがあっても、ひと月もするとほぼほぼ意識づけができた。
 のちに、おやつ欲しさに、チョビッとずつおしっこをするという技を覚えてしまったのには困った。
でも、大きな黒い瞳でじっと見つめられると、思わずおやつをあげてしまうんだよな。

 一年後の体重は1.5倍の7.1kg。肥満の原因(死因の考察)は我にあり。反省。
 しかし、おしっこの回数が異常に多い。水もがぶがぶ飲む。
ちょっと変だ・・・


cut

9月。だいぶ毛が伸びてきたので、初めてペットショップでカット&シャンプー
されるがまま。おとなしくカットされたみたい。すっきりして、かわいくなった。


shamp matt
keiko

母さんに抱かれて・・・

ayako

**** 動画へのリンク⇒ 綾子にだけ見せる甘えた芸



 かねてから気になっていたルビーの「多飲多尿」で、検査を受ける。その結果副腎皮質ホルモンの異常、 「クッシング症候群」と診断される。 一日に交換するおしっこシートは楽に10枚は超えた。それでも元気で食欲旺盛。ついたあだ名は 「ブラックホールくん」。食事のたび「これでおしまい」を3回は言い続けてやっと納得させる毎日(毎回)!!

 光男の件で上京し、優子宅に一泊するので、2泊3日でペットホテルに預かってもらう。
 12/5(金)引き取ったとき、店の人から「朝食は吐いてしまった。ストレスかも」と言われた。 元気がないようには見えない。家に連れ帰って、夕食を与えると、いつものようにぺろりと平らげた。 が、しばらくすると全部吐いてしまう。この段階では大して心配なかろう、明日9時に動物病院を予約しているから、 そこで相談すればいい、と考えていた。
 12/6(土)動物病院でクッシング症候群の診察。診察台の上でいつものように立ち、弱っているようには見えないし、 触診する医師からも特別な所見はなし。「胃薬を出しましょうか」に対して、「様子を見ます」と断った。
 12/7(日)餌を一粒も食べないし、水すら飲まない。指先に水を付け、鼻先を濡らしても舐めようともしない。 ときおり、苦しそうに黄色い胃液を吐く。-- これはやばい --。急遽月曜の午前診察を予約する。 「がんばれよ。明日病院へ連れて行くからな」
 12/8(月)いつものように朝5時半、起きて声をかけると、頭を上げて、私と綾子の顔を見る。
洗面を済ませ、新聞を取って戻ってくると横になった姿勢。朝からこんな姿勢で寝ている。「ん!?」
近寄って声をかけた。目を開けたまま、もう逝ってしまっていた。
 まるでみんなが起きてくるのを待っていたかのような、別れかただった。
あんなに水を飲んでいたチビスケが、3日間絶水。苦しかったろうな。最期の日々の対応は悔いが残る。(合掌)
2017/04/02~2025/12/08 8歳9月

death

クッシング症候群

 ルビーの体重はわずか半年で1.5倍に増加した。途中からきびしく食事制限したのだが・・・。
犬の体重が半年で1.5倍に増加した場合は、単なる食べ過ぎや運動不足だけでなく、 病気が潜んでいる可能性があるという記述を見つけた。
 急激な体重増加で疑われる主な病気のひとつにホルモンの病気(内分泌疾患)副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)がある。 その特徴は
 ホルモンバランスの異常により、食欲増進、多飲多尿、左右対称性の脱毛、お腹の膨らみ(ポットベリー)などの症状が現れる。
すべて当てはまる!!9か月目に、検査の結果クッシング症候群と診断され、投薬治療が始まったが、11月12月と2度のホテル暮らしは ストレスを蓄積しただろうか?12月気温の低下は体調を崩しただろうか?
 何かをキッカケとして消化不良、心臓への負担、腎不全などを併発して、急激に転帰 死亡に至ったと推定する。

「死」はなぜ不可逆的なのか

 もし誰かが比較的若い年齢で亡くなった場合、なぜ壊れた部分を交換して生き返らせることが できないんだろう?
 あなたの心臓が止まると、血液は脳や他の重要な臓器に行かなくなります。酸素の供給がなくなると、 数分以内にATPを全く生成しなくなります。ATPが膜輸送ポンプを動かすことができなくなると、化学的 勾配を維持できなくなり、すべてのイオンが拡散し始め、貴重な電気化学的バランスが崩れ、多くの 反応が停止します。損傷はすべてが非常に速く、一度に起こります。

(「死」=細胞の破壊が進行することと、「人工冬眠」=細胞の活動が低下・停止していることとは違う)
 大人の人間は、心臓、脳、その他のすべての臓器はその機能を停止させる温度まで冷却されても最大1時 間生き残っている。問題は氷の結晶。氷の結晶の形成を抑制する不凍液化合物を利用する。 細胞内に氷の結晶ができると、トゲの部分が細胞膜を突き刺して、細胞が壊れる。不凍液化合物は、ものを 傷つけない、トゲのない結晶の形成を促進する。
さらに臓器移植の場合は、急性拒絶反応、移植片対宿主病、感染症など大きな問題がある。 心臓を再起動することは、地球上のすべての救急医療番組で示されている。しかし、問題は生存率:
 突然の心停止の犠牲者が
1分以内に除細動を受けた場合、生存率は90%にもなります。
4分以内に行われた場合、生存率は約70%です。
10分後に実施された場合、生存率は2%に低下します。

ATP(アデノシン三リン酸)は、すべての生物の体内でエネルギーを貯蔵・供給する重要な分子で、
「生命のエネルギー通貨」と呼ばれ、筋肉を動かしたり、神経伝達を行ったりする生命活動の源です。
糖質などを材料にミトコンドリアなどで作られ、リン酸が1つ外れる(加水分解される)ときにエネ
ルギーが放出され、このエネルギーを使って活動します

死~ 腐敗~ 消滅

 ・・・次の瞬間に青年は地面に倒れる。死体は無造作に片づけられ、焼却されるであろう。 しかし、もし、そのまま放置されたらどうなるであろうか。
 青年の呼吸は停止し、心臓は弛緩したまま止まる。 やがて、からだ中の筋肉が弛緩する。 体内にある汚物はからだの外に流れ出てくる。目はどんよりと開かれ、瞳孔散大している。 遺体はなま温かく、透き通るように青白い。 筋肉の弛緩は四~五時間つづき、やがて硬直する。 血液の循環が停止したために、酸素が 供給されなくなり、 アデノシン三リン酸が分解されて、筋肉が収縮 したままになるので硬直するのである。
 二四時間後には遺体のいろいろな部分にうっ血した血液が死斑となってあらわれる。やが て、遺体の硬直は消え、腐敗がはじまる。まず、屍臭がたちはじめ、死体はふくれあがり、 ウジがわく。つづいて、緑色の斑点があらわれ、次第に遺体全体に広がる。腸内に生息して いた細菌が繁殖して遺体を分解したためにできた斑点である。その後、死体は水分を失い、 皮膚は乾いて皮革のようになる。血液が循環しなくなって最初に死ぬのは神経細胞である。 大脳皮質の細胞は、心臓の拍動が止まってから七~八分後には壊死をおこす。 視床下部の神 経細胞はやや長く、七五分以上生きている。引きつづき、肝臓、腎臓、腺細胞が変性してい く。最後まで生き残るのは皮膚の細胞で、死後二~三日は生きている。髪、その他の毛、爪 は死後もしばらくのびつづけてから崩壊する。やがて、臓器は、悪臭を発するどろどろのも のになって、頭蓋、胸郭、骨盤内を満たす。 肝臓は第三週頃に、心臓は五~六ヶ月めに消滅 する。
 からだの内部にすんでいた細菌、カビ、ウイルスなどの寄生生物の餌食になった遺体は、 次に外から入り込む生物によって喰い荒らされる。ダニ類やムカデなどの多足類、クモ、昆 虫、野ネズミなどが饗宴に加わる。
 化学的にみると、からだのなかの水分は、なかに溶解している塩類や細菌とともに地中に 染み込んでいく。炭水化物は、アルコール、ケトン、有機酸に分解されて地中に入る。その 一部は炭酸ガスやメタン、水素にまで分解されて大気中に放散される。一人の成人の死体が 放散するガスの量は五立方メートルにもなる。脂肪は、アンモニアをたくさんふくんだ低級 脂肪酸に分解されて悪臭を放つ。
 タンパク質は鎖状の長い分子であるが、短く切られてアミノ酸になる。その一部は、各種 アミンやアンモニアになり、さらに硝酸、亜硝酸に酸化される。 最後まで残るのは骨である。骨はカルシウムを失い、雨水に溶けて消失する。骨がなくな るまでには普通四~五年かかるが、場所によっては数世紀もかかることもあり、歯が数千年 も残っていることもある。
               ***** (略)*****
                  柳沢桂子 著
       慶応大学医学部助手、三菱化成生命科学研究所、サイエンスライター


遺体の「腐敗」に伴う体液の漏出

 死後の体液漏出は、死後約48時間以降、腐敗の進行に伴って始まります。ただし、 状況によって開始時間は大きく異なり、早ければ死後数時間で微量の漏れが見られる こともあります。
 体液の漏れ出しは、遺体の「腐敗」という自然現象の一部として発生します。
・腐敗の開始(死後数時間〜): 死亡すると免疫機能が停止し、体内(特に胃や腸)の 細菌が組織の分解を始めます(自己融解)。
・腐敗ガスの発生と膨張(死後約48時間〜): 分解の過程で腐敗ガス(硫化水素、 アンモニア、メタンなど)が発生し、体内に溜まります。このガスによって腹部や 顔が大きく膨張します。
・体液の漏出(死後約48時間〜/3日目以降): 体内圧が高まるにつれ、皮膚が破れ やすくなったり、鼻、口、肛門、あるいは傷口などから血液や腐敗液(腐敗汁)が 体外へ押し出されるように漏れ出します。
・大量の流出・浸透(死後3〜5日目以降): 腐敗がさらに進行すると、体液の漏出が 本格化し、寝具や床材にまで深く染み込むようになります。

漏出開始時間に影響する要因
体液漏出のスピードは、以下のような環境条件に大きく左右される。
・気温: 高温(夏場など)では腐敗の進行が非常に早く、1日未満で強い臭いや漏出が 始まることもある。
・湿度: 湿度が高い環境も腐敗を助長する。
・その他の要因: 亡くなる直前の体温(高熱だった場合)、体格(脂肪が多いほど早い)、 病状なども影響する。